内航海運

わかなつわかなつ
(写真提供:公益財団法人日本海事広報協会)

船で国内の港から港へ貨物を運ぶのが「内航海運」です。日本では昔から「北前船」などの船による物資輸送が盛んに行われ、今日では6,000隻余りの内航船が港と港を網の目のように結んでいます。

第二中興丸第二中興丸
(写真提供:宇部興産海運株式会社)

国内貨物の主な輸送機関は、内航海運のほかにトラック、鉄道がありますが、内航海運は、貨物輸送の約4割を担っており、大変重要な役割を果たしています。

新衛丸新衛丸
(写真提供:独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構)

内航海運で運ぶ主な貨物には、鉄鋼製品、セメント、石灰石、穀物飼料、紙、自動車、砂利、日用雑貨、食糧、石油製品、LPガス、石油化学製品等が挙げられますが、変わったところでは、新幹線や地下鉄の車両、大型プラント、建設用機器、工業用水といったものもあります。

君津丸君津丸
(写真提供:竹井 智)

このように、内航海運は、産業基礎資材から、生活必需品に至るまで、様々な貨物を運び、「国民生活を支える縁の下の力持ち」として日々活躍しています。例えば、製鉄所では、外航船で運ばれた鉄鉱石や石炭、内航船で運ばれた石灰石等を原材料として各種鋼材が生産されます。この鋼材製品が内航船で流通基地などに運ばれ、自動車メーカーなどの工場でボディーやシャーシ等に加工され自動車に生まれ変わります。そして、この自動車を内航船が各地の物流拠点まで運び、トレーラーで販売店へ届けられるのです。

近年、道路混雑や騒音、地球温暖化への影響など物流をめぐる問題がクローズアップされていますが、内航海運は、一定の貨物を運ぶのに必要となるエネルギーや、排出される二酸化炭素の量が、トラックと比べて極めて低く、省エネルギーで環境にやさしい輸送機関として一層期待が高まっています。


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